- 2022.07.09
「みみをすますように 酒井駒子」展 兵庫県立美術館ギャラリー棟3階で2022年8月28日(日)まで開催中
「BとIとRとD」原画(白泉社、2009年)
絵本作家・画家として多くの人々を魅了し続けている酒井駒子さんの初となる大規模な個展が全国を巡回中です。この夏は、酒井駒子さんの出身地・兵庫で「みみをすますように 酒井駒子」展が開催されます。
酒井駒子さんの描く子どもや動物、情景の繊細な描写と、絵と響き合う詩的な文は世界中で愛され、数々の国際的な賞を受賞しています。『金曜日の砂糖ちゃん』(偕成社)は2005年のブラチスラバ世界絵本原画展で金牌を受賞、『ぼく おかあさんのこと…』(文溪堂)で2006年にフランスのPITCHOU賞、オランダの銀の石筆賞を受賞。2009年には『ゆきがやんだら』(学研プラス)でオランダの銀の石筆賞を受賞、また同書はニューヨーク・タイムズの「Best Illustrated Children's Books of 2009」の1冊にも選出されました。
本展は、これまでに刊行された20冊を超す酒井駒子さんの絵本を中心に、約250点の原画を厳選。「ある日」「ひみつ」「こみち」「はらっぱ」「こども」「くらやみ」の6つのキーワードに分けて空間を構成します。会場では酒井駒子さんが制作を行う山のアトリエ周辺の映像や音が流れ、京都在住のフランス人建築家ユニット2m26が本展のために制作した杉材の特製額やケースには、原画に加えて酒井さんが大切にしている小さなおもちゃやオブジェも収められています。森の中をゆったりとめぐりながら、絵とことばに出会う、そんな新しい体験ができる展覧会です。
また本展の開催を記念し、MOE 2021年5月号(バックナンバー販売中)では酒井駒子さんの巻頭特集「酒井駒子 みみをすますように」を掲載しています。展覧会と合わせてお楽しみください。
展覧会概要
「みみをすますように 酒井駒子」展
2022年7月9日(土)〜8月28日(日)
兵庫県立美術館ギャラリー棟3階
神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
開館時間/10時〜18時(入場は17時半まで)
休館日/月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
入場料/一般 1,500(1,300)円 、高大生 1,100(900)円、小中生 500(300)円
※( )内は前売券料金。前売券は2022年5月9日(月)〜7月8日(金)販売予定。
見どころ 約250点の絵本の原画
1998年に初の絵本『リコちゃんのおうち』(偕成社)を出版し、絵本作家としてデビューした酒井駒子さん。本展では酒井さんの20冊を超える絵本から、約250点の原画が展示されます。
今日では酒井駒子さんのトレードマークとも言える、黒色で下塗りした上に描く技法は、2000年5月に出版された『ぼく おかあさんのこと...』(文溪堂)から定着しました。また月刊MOEに連載された作品をまとめた『BとIとRとD』(白泉社)では、段ボールやボール紙といった素材を使い、コラージュも用いられています。
こうした、印刷では再現できない豊かな色彩、少女や動物たちの繊細な表情も展覧会で間近に見ることができます。
『まばたき』原画(岩崎書店、2014年)
展示構成
1. ある日
『金曜日の砂糖ちゃん』原画(偕成社、2003年)
2. ひみつ
『ビロードのうさぎ』原画(ブロンズ新社、2007年)
『森のノート』原画(筑摩書房、2017年)
『くまとやまねこ』原画(河出書房新社、2008年)
5. こども
『ぼく おかあさんのこと…』原画(文溪堂、2000年)
6. くらやみ
『よるくま』原画(偕成社、1999年)
Profile
酒井駒子 Komako Sakai
1966年兵庫県生まれ、東京藝術大学美術学部油絵科卒業。テキスタイルデザインの仕事を経て、1998年『リコちゃんのおうち』(偕成社)で絵本作家デビュー。『きつねのかみさま』(あまんきみこ/作 ポプラ社)で日本絵本賞、『くまとやまねこ』(湯本香樹実/文 河出書房新社)で講談社出版文化賞絵本賞、第1回MOE絵本屋さん大賞第1位受賞など国内外での受賞多数。MOEから生まれた絵本に『よるくま クリスマスのまえのよる』 『ロンパーちゃんとふうせん』 『BとIとRとD』(白泉社)などがある。Instagram @komakosakai_office