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2022.07.02

「出版120周年 ピーターラビット™展」大阪・あべのハルカス美術館で2022年9月4日(日)まで開催中

ピーターラビット展
 
 

1902年にフレデリック・ウォーン社から刊行されたシリーズ第一作『ピーターラビットのおはなし』から今年で出版120周年。これを記念して、ピーターラビット™の大規模な展覧会が日本を巡回します。

ビアトリクス・ポター™による日本初公開のスケッチやイラストレーション、私家版や草稿本、ポター自身の発案による貴重な関連アイテムなど、約170点の作品や資料が一堂に揃う圧巻の展示内容です。中でも大きな見どころは、「ピーターラビット」シリーズを描くきっかけとなった、作品の原点《ノエル・ムーア宛ての絵手紙》の直筆オリジナルの日本初公開。さらにシリーズ最初の絵本『ピーターラビットのおはなし』の彩色画を、ポターが当初構想した通りにすべてそろった形で展示するのは日本で初めてのこと。さらに「ピーターラビット」以前にポターが描いたウサギのスケッチも日本で初めて公開されます。また、ポターは絵本のキャラクターグッズの特許を取得した世界初の人物と言われていますが、100年以上前に生まれた貴重なアイテムも展示されます。

また本展の開催を記念し、MOE 2022年4月号(バックナンバー販売中)では巻頭特集「出版120周年 まだ"知らない"がいっぱい! ピーターラビット™️」で展覧会の詳細や作品の魅力をたっぷり紹介しています。展覧会と合わせてお楽しみください。
 

 開催概要

出版120周年  ピーターラビット™️
2022年7月2日(土)〜9月4日(日)
あべのハルカス美術館
大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F
開館時間/火~金 10時~20時、月土日祝 10時~18時(入館は閉館30分前まで)
休館日/2022年7月4日(月)、11日(月)
入場料/一般 1600円、高大生 1200円、小中生 500円

 

 巡回予定
 

2022年9月15日(木)〜11月6日(日)
静岡市美術館

 

作者 ビアトリクス・ポター


ロンドンの裕福な家庭に生まれたビアトリクス・ポター(1866-1943)は、幼い頃からたくさんの動物を飼い、その姿をスケッチしていました。1888年頃、ポターは1匹のウサギを飼いはじめました。ベンジャミン・バウンサーと名付けられたそのウサギはポターの絵のモデルを務め、ポターが絵ではじめて収入を得たのはベンジャミンを描いたカードのイラストでした。ポターが2匹目に飼ったウサギはピーター・パイパーと名付けられ、後に『ピーターラビットのおはなし』の主人公ピーターのモデルになりました。


ビアトリクス・ポター
1892年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 Courtesy of the Victoria and Albert Museum

 
 

ピーターラビットシリーズ

 

ポターが挿絵画家として仕事をはじめた1893年、元家庭教師の5歳の息子、ノエル・ムーアの病気を見舞うため、いたずらの好きなウサギのピーターのお話を絵手紙で送りました。ムーア家の子どもたちを喜ばせたこの絵手紙をもとに生まれたのが、絵本『ピーターラビットのおはなし』です。「出版120周年 ピーターラビット™️展」ではこの絵手紙の直筆オリジナルが日本で初めて公開されています。

 


《ノエル・ムーア宛ての絵手紙》 ビアトリクス・ポター 1893年 ピアーソン PLC
© Victoria & Albert Museum, London, 2015
 

絵手紙をもとに絵本をつくりはじめたポター。1901年に私家版を出版、その後1902年にフレデリック・ウォーン社から出版された『ピーターラビットのおはなし』はたちまち人気を呼びました。初版本や版を重ねた絵本では一部の挿絵が掲載されませんでしたが、2002年以降の英語版の絵本では、ポターが描いたすべての挿絵が掲載されるようになりました 。そして出版120周年を祝う本展では日本初公開の原画を含む彩色画全点が並び、ポターが当初思い描いた絵本のすがたを展示で再現します。
 


《『ピーターラビットのおはなし』挿絵原画》 ビアトリクス・ポター 1902年 ウォーン・アーカイブ/フレデリック・ウォーン社 © Frederick Warne & Co. Ltd, 2017
 
 

《『ピーターラビットのおはなし』挿絵原画》 ビアトリクス・ポター 1902年 ウォーン・アーカイブ/フレデリック・ウォーン社 © Frederick Warne & Co. Ltd, 2017
 
 

ポターは絵本のキャラクターの商品化特許を最初に取得した人物と言われています。この展覧会では、ポター自身の監修によるピーターラビットのぬいぐるみなど、100年以上前につくられた貴重なアイテムも展示されています。

 

《ピーターラビットのぬいぐるみ》 シュタイフ社 1905年 ウォーン・アーカイブ/フレデリック・ウォーン社 © Frederick Warne & Co. Ltd, 2015



 
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