絵本のある暮らし 月刊MOE 毎月3日発売

ニュース ニュース

2023.04.21

「堀内誠一 絵の世界」展 大分市美術館で2023年6月25日(日)まで開催中

 

グラフィックデザイナー、アートディレクター、エディトリアルデザイナー、絵本作家、エッセイスト……さまざまな分野の第一線で活躍し、多大な功績を残した堀内誠一さんの「絵の世界」に注目した展覧会が全国を巡回中。2023年4月21日(金)〜6月25日(日)は大分市美術館で開催されます。
 

1932年、東京に生まれた堀内誠一さん。図案家だった父の影響もあり、絵を描くことが好きな少年でした。戦後間もない1947年、14歳で社会に出た堀内さんはデザインの仕事で瞬く間に頭角を現しました。「BRUTUS」「anan」などの雑誌のアートディレクターを務め、雑誌のロゴデザインや本の装丁、ポスターのデザインなど多彩な仕事を展開。1958年には初の絵本『くろうまブランキー』(福音館書店)の絵を担当、生涯で60冊を超える絵本を手がけました。

本展は、堀内さんが10代の頃に描いた油絵作品(初公開)などをはじめ、数々の絵本の原画、デザインにおける作画、雑誌のためのカットなど、堀内さんの創作の原点ともいえる「描くこと」に着目。54年の短い生涯で残した多彩な作品から、堀内さんの絵の世界をひもとく展覧会です。

また大分会場では、大分市出身の洋画家・佐藤敬(1906〜78年)と堀内さんのパリ在住時代の交流にも迫ります。

本展の開催を記念し、MOE 2022年6月号(バックナンバー販売中)では特集「堀内誠一 絵を描くよろこび」を掲載。巡回展の様子もたっぷりご紹介しています。さらに未刊行だった堀内さんの名作絵本の豆本がつくれる付録など、MOE誌上だけの特別企画も。本誌と合わせてお楽しみください。

 

 開催概要
 

堀内誠一  絵の世界
2023年4月21日(金)〜6月25日(日)
大分市美術館
https://www.city.oita.oita.jp/o210/bunkasports/bunka/bijutsukan/special_exhibition/horiuchiseichi.html
大分県大分市大字上野865
開館時間/10時〜18時(入館は17時半まで)
観覧料/一般 1,000円(800円) 高大生 700円(500円) 中学生以下 無料 ( )内は前売り、20名以上の団体割引
休館日/4月24日(月)、5月8日(月)・15日(月)・22日(月)・29日(月)、6月12日(月)・19日(月)

 

 巡回予定


2023年7月1日(土)〜8月20日(日) ひろしま美術館
2023年10月7日(土)〜12月17日(日) 群馬県立館林美術館

 
 展示内容

 

絵を描きたい その創作の原点
  

子どもの頃に描いたスケッチ、10代の頃に手がけた油絵など、堀内さんの創作の原点となった作品が展示されます。
 


《青いサーカス一家》1950 年 油彩・キャンヴァス

 
多彩な絵本の世界
 

1958年に初の絵本となる『くろうまブランキー』(福音館書店)の絵を描いた堀内さんは、その後もデザイナーの仕事をしながら、生涯で60冊を超える絵本を手がけました。本章では堀内さんの絵本を初期から晩年まで5つの項目に分類。物語にあわせて大きく変わる多彩な画風や、絵本の特徴・変遷を展観します。


はじまりの絵本たち

 

『くろうまブランキ―』1958年 福音館書店



『ぐるんぱのようちえん』1965 年 福音館書店

 

 

好奇心と科学の絵本

『ちのはなし』 1978年 福音館書店


広がる絵本の世界

『こぶたのマーチ』 1996年 福音館書店
 

パリで生まれた絵本たち


『こすずめのぼうけん』1976年 福音館書店
 

 

物語を導く 挿絵の世界
 

堀内さんが挿絵を手がけた40冊以上の絵本や童話から、代表的な作品を中心に紹介します。
 

『ふらいぱんじいさん』1969年 あかね書房
 


堀内誠一の残したもの
 

現在でも使われているロゴのデザイン、さまざまな雑誌のアートディレクション、本の装丁、ポスターのデザイン、ミニコミ誌の編集、友人たちへの絵手紙、旅先の風景、手描きの地図……描くことを通して堀内さんが表したさまざまなものを紹介します。また、堀内さんの愛用品や画材などもあわせて展示します。

 


パリ風景≪ポン・ヌフ≫ 1978年 鉛筆・水彩・紙



Profile
堀内誠一 ほりうち せいいち

1932年東京生まれ。デザイナー、アートディレクター、絵本作家。数々の雑誌のエディトリアルデザインやロゴデザインを手がける傍ら、生涯で60冊を超える絵本を描き、また挿絵も数多く担当した。1973年から81年にかけてフランス・パリに暮らし、世界を巡り、旅先の風景や地図を描き雑誌で発表するなど、多彩な表現に意欲的に取り組んだ。1987年逝去。享年54。
 

 

堀内誠一 写真提供:堀内事務所 ©Seiichi Horiuchi

ページトップへもどる